【ハネビロハナカミキリ】観察&初めての飼育の考察
【ハネビロハナカミキリの観察】
・何もない空間で過ごしたときよりも、隠れられるスペースのある空間の方が落ち着いていた(昆虫全般に言えるが鳥などの外敵から身を隠そうとする本能)
・床材がないと落下時の衝撃も緩和されない
・掴まれるものが多い方が転倒時にスムーズに起き上がれストレスも減る
床材、身を隠せる場所といった、およその昆虫に当てはまる飼育環境だけは整える
(飼育方法が明確になっていない昆虫でも最低限押さえられる部分はある)
以下、Shawn M. Wilderの研究を含む考察(http://spider.art.coocan.jp/studycenter/pdffiles/spidernutrition.pdf)
〇クモは高蛋白質食に適応しており、徘徊性のクモの一部以外には炭水化物を必要としない
〇クモは食事の際に蛋白質を含む酵素をエモノに注入、先行投資をしているため、食事でしっかりと蛋白質を回収する必要がある
カニグモ科は徘徊性のクモで、造網性のクモよりも蛋白質の必要量が少ない上に、植物に擬態しての待ち伏せが主な狩りの手法であるため、炭水化物を含むエネルギーが他より少なくて済むと考えられる
カニグモは最も飼育に適したクモなのでは?
デュビアやコオロギの幼体、カイコを生餌にと考えていたが、最低限の餌で育てたショウジョウバエで充分のように思う。実際に飼育して個体に元気がない、寿命が短いと感じることがあれば、賞味期限の切れたプロテインを餌にショウジョウバエを繁殖させてみよう。
【ハネビロハナカミキリの観察2】
・3日間放置するもピンピンしている
・ハムシなどの食性の似た虫と比べはるかに丈夫(コイツは鱗翅目と比較するべきか?)
・絶食状態でもフンが多め(紙を食べている?蛆Gと同レベル)
・水で薄めたオリゴ糖を与えたところ少し活発になった…?
ある程度保存が可能で大きさも申し分ないため、クモの生餌に使えるのでは?
(コオロギ同様顎を潰すこと)
多頭飼育は可能と思われるが、繁殖のことも考え、野球公園で出会った二匹で実験するべきだった
まとめ
雌雄含め同定して、生餌になりそうだったら繁殖を試みよう!(なんかそこまでやると何を飼育してるのか分からなくなるけど仕方ない)
【ハネビロハナカミキリの観察3】
飼育から16日目
とうとうカミキリが虫の息になる。砂糖水とオリゴ糖水だけでそれなりにピンピンしていたのが急に弱ったのは、おそらく水を含んで重くなったキッチンペーパーの下で身動きが取れなくなり、全身の圧迫、骨折をしたのが原因と思われる。(ここのところ紙の下に潜り込むことが多かったため、事態の発覚が遅れた。第三脚と左の触覚以外がロクに動かせなくなっていた)
床材兼エサ入れとしてキッチンペーパーを採用したが、脱脂綿などで使い分けをしっかりするべきだった。
甲虫標本・飼育の練習目的で捕獲したハネビロハナカミキリだったが、得られるものは非常に多く、愛着も湧いていたためやりきれない思いが強い。
ハンノキカミキリの飼育にはこれらの経験を生かす。