カラカニグモ飼育日記
まず、初めに結論を書く。
カニグモとエアプランツは相性が悪い。
カニグモの狩猟法は攻撃的擬態なので、自然にいたときのように上手くエサが取れず餓死することを避けるため植物の設置は必須というのが、実際にカニグモを飼育するまでの私の見解だった。エアプランツは例え汚れても根を張っていないためそれだけを取り出すことができ、水もたまに与えるだけで足りるので、ケージを必要以上に開けず脱走を防げると考えていた。
しかし、実際のカニグモは、まったく逃げない。蓋を開けて数時間放置した後に戻っても同じ場所に居続けた。逆にエアプランツの葉が複雑に分かれているため、チョウは止まらず、カニグモも移動に手間取っている始末だった。
(注)もちろんケージの中は下から順に、水はけを良くする石、土、苔、植物と自然に近い、擬態が可能な環境にしてある。ただのプラケースなら逃げるかもしれない
【飼育日記】
初日、カラカニグモは無事キンモンガを捕食。
三日目、アブや甲虫を与えても食べようとすらせず(ヤマシロオニグモは好き嫌いせず捕食した)、バッタとモンシロチョウには興味を示したものの、捕まえられず諦めていた。
四日目、シャチホコガの幼虫に敗北。シャチホコガの持ち上げた尻尾の突きで撃退される。なぜかキンモンガと同サイズのヨトウガには見向きもせず挙句の果てに居場所を奪われる始末。
(キンモンガ→受粉昆虫 ヨトウガ→無摂食)
カニグモはやはり受粉昆虫しか食べない?
正直カラカニグモが弱すぎて心が折れそうだ。茶系統の色なので擬態が上手くいっていない可能性もあるが、キンモンガは擬態関係なく捕食できていたのでイマイチ分からない。
十五日目
クサカゲロウ(花粉食)を与えるも食べない。悪臭を嫌がった?
三十日目
ミルワームを与えるも食べない
四十日目
餓死
カニグモの飼育は二種類目だが相変わらず飼育が難しい。ヤマシロオニグモやクロガケジグモなどの造網性のクモはエサ付きが良いので、徘徊性のクモには嗜好性があるのかもしれない(そもそも待ち伏せする位置や徘徊する場所によって捕れる獲物に偏りが生じるので不思議な話ではない)
ハナグモの時とは違い受粉昆虫を捕食してくれたので、学べることはあった。次の機会があれば、花粉に近い何かだけを与えて育てたミルワームやショウジョウバエで代用ができないか試したい。